終了致しました。
たくさんのご参加ありがとうございました。

「ヴェノナ文書と戦勝国史観見直し」

2022年4月26日(火)14:30~
【第83回】講師:江崎 道朗 先生

ANNOUNCEMENT

古賀Facebookより

【第83回AT-1告知】
令和4年度からいよいよ8年目に突入したエンジェル寺子屋一番館(AT-1)ですが、新年度一発目の募集を開始します。
開催日は令和4年4月26日(火)で、講師には評論家の江崎道朗先生をお迎えします!
江崎さんとの出逢いは、2018年の頭から始まったイシキカイカク大学の第1期。
(河添ねーさんとの出逢いもここでした)
江崎さんのプロフィールを見た私の第一印象は「あ、大学の先輩だ」でした(笑)
その時に江崎さんから教わったことで印象的だったのは、「一口にアメリカと言っても、決して一枚岩じゃありませんからね」という言葉。
いろいろと学んできた今となってみればこれは当たり前の認識なのですが、当時の私には「なるほど、確かにそうだよなぁ」とすごく肚落ちしたのを今でも覚えています。
江崎さんは評論家であり、多数のご著書をお持ちの作家であり、大学で教鞭を執られていたりとマルチに活躍されているのですが、実は永田町にいらした期間も長いんです。
過去にこっそりとその辺りの経験談なんかも聴かせていただいたことがあり、とても興味深かったです?
今回はそんな江崎先生に『ヴェノナ文書と戦勝国史観見直し』と題して、先の大戦の裏側でどのような"工作"が繰り広げられており、それが戦後の日本にどのように影響しているのか?といったあたりを中心にお話しいただく予定です。
そもそも"ヴェノナ文書"という言葉をご存じない方も多いかと思いますが、当時のソ連やコミンテルンの狙いを語る上では欠かせないキーワードであり、個人的には江崎先生はヴェノナ文書研究の第一人者だと思っています。
今回のお話も、今の日本の状況を正しく認識するための、とても大切なパズルの1ピースになるかと思います。

SEMINAR REPORT

セミナー議事録

《管理人の独り言》

講師の江崎先生は”江崎塾”というご自身のコミュニティをお持ちであったり、 様々な動画サイトにも多数ご出演されておりますがAT-1のようなクローズの会で、 しかもリアルでお話を拝聴することができたのはとても貴重な機会でした。
お話の内容からだけではなく、江崎先生の声のトーンや表情などからも感じ取れる部分がありましたし、 情報過多な時代だからこそ、リアルにこだわって開催していることの重要性を再認識いたしました。
江崎先生は【政府の公式見解によって物事(政治)が動く】と冒頭おっしゃっており、 ”政治の世界でそれは通用しない”というワードが多く出てきました。
政治について理解が足りない私ですが、政治の世界がどういうものなのかを垣間見ることができました。

2015年4月に第1回AT-1を開催し、おかげさまで8年目を迎えることができました。
皆様の支えなしにはここまで続けてこられませんでした。本当にありがとうございます。
AT-1を通じて我々も皆様と共に学び、成長して参りたいと思いますので、 引き続き、今後ともよろしくお願いいたします!

《セミナー・懇親会風景》





《参加者みなさまのご感想》

・講義を通して一貫した主張として、「感情ではなく法と事実に基づいて冷静な判断をする」というお言葉が印象に残りました。「これが正しい」と単純化して決めるではなく、色んな情報を複合的に取り入れて判断する力が必要と感じました。国対国の対立構造は一つの単純な事象でまとめられるものではなくて、色んな要素が複雑に絡み合っていると感じました。

・政治の世界での実務の担い手としての観点で、今の世界情勢につながる背景をお聞きできたのは非常に興味深かったです。ソ連や共産主義者たちが行ってきた影響力工作の生み出した結果の大きさと、真実が明るみになり徐々に歴史観が変わってきている事が具体的に説明頂けたのも非常に良かったです。

・大変貴重なお話で楽しく聞けました。以前に角川のDIMEで読み解く政治とビジネスをオンライン受講した経緯があったのですが、今回はその時とは違う話で参考になりました。

※たくさんの中のほんの一部になりますが、抜粋して掲載させていただきました。本当にありがとうございました。

《古賀Facebookより》

【第83回AT-1報告】
令和4年度一発目、今回から8年目に突入した昨日のAT-1には、評論家の江崎道朗先生にお越しいただきました。

今でこそ評論家や著者としてご活躍の江崎さんですが、実はつい数年前までは実務家として政治や外交の最前線でご活躍されていました。
そんな江崎さんに『ヴェノナ文書と戦勝国史観見直し』と題してお話しいただいた訳ですが、"インテリジェンス"を専門とされている江崎さんが一貫しておっしゃっていたのは「物事が決まる要因が一つということはあり得ない。世の中はそんなに単純じゃない。」ということ。
とりわけ政治の世界においては、「あの人がこう言っていた」というような《政治家個人の見解》ではなく《各国政府の公式見解》がとても大切で、「それこそが唯一信用に足る情報である!」と何度も力説されていました。
その他、ヴェノナ文書の解析をはじめ何かを詳しく調べるような時にも、領収書や指令書、契約書といった"証拠"の類がものすごく重要で、感情ではなく法と事実に基づき、何事も冷静に判断して行くことの大切さを繰り返し訴えられていました。
なるほど、政治や行政の実務はこうやって動いているんだなぁととても勉強になりました。

戦後の日本ではほとんど失われてしまった『情報史学(インテリジェンス・ヒストリー)』という学問がありますが、その中で特に重要なのは下記の3つ。
1.スパイ工作
2.サボタージュ(破壊工作)
3.影響力工作(プロパガンダ)
国際社会では(もちろん日本国内でも)常にこれらの攻防が激しく行われている訳ですが、日本人も早く目醒めないといけませんね、、、

ベルリンの壁崩壊後にソ連からの独立を果たした中欧、東欧諸国では「ソ連の圧政や暴力(虐殺)がいかに酷かったのか」を子孫に語り継ぐために、国内に国立の記念館や博物館がたくさん建てられているとのこと。
彼らは"単なる概念"ではなく"歴史的事実"を元に、「自分の国を自分たちで守らないとどうなるのか?」を子供たちに教えているそうです。
戦争はとても悲惨なものですが、実際にはその後(残虐な国によって占領された長い年月)の方がどれほど悲惨なのか?を身を以て体験しているからこそですよね。
先の大戦の"戦勝国"であったソ連の数々の蛮行をこれらの国々が暴き始めたことで、欧米でも「悪の大日本帝国が侵略の野望逞しくあの戦争を遂行した」という戦勝国史観の見直しも進んでいるそうです。
その見直しが遅々として進んでいないのは、当の我が国だけという笑えない現実、、、

ちなみに、1991年の12月にハワイのパールハーバーで50周年式典が行われているのですが、主催者はこの式典の名称を「Pearl Harbor 50th Anniversary」にするのか「Pearl Harbor "attack" 50th Anniversary」にするのか悩んでいたそうです。
しかし以下の3つの理由から、最終的には「Pearl Harbor 50th Anniversary」で落ち着いたとのことでした。
1.今や大切な同盟国である日本を批判しても良いのか?
2.真珠湾攻撃自体も、一方的に日本が悪い訳じゃない(ルーズベルトの"策略"は、米国内では広く知られているそうです)
3.日本人観光客のおかげで潤っていたハワイの州知事がストップをかけた
お金が大切であることがよく分かる(笑)と同時に、いい加減に日本人も前を向いて行かなきゃですよね。

また、日本人が特に陥りがちな"単純化"の危険性についても警鐘を鳴らされていました。
先の大戦後から現在に至るまで、アメリカには経済、軍事の両面で「日本が弱くいることを望むWeak Japan派」と「日本にある程度の力を持たせたいStrong Japan派」の人たちがいます。
これを日本人は「前者は反日で後者は親日だ」と安直に受け止めがちですが、全く以てそんなことはありません。
どちらも、自身の利益と自国の国益をしっかりと考えた上で「日本を利用するのであればどっちの方が有利か?」を冷静に判断しているだけなのです。
もちろん、どちらにも親日な人も反日な人もいるでしょうけど、「それとこれとは別問題」というのが日本以外の国々では常識のようです。

その他にもたくさんのことを教わりましたが、長くなりましたので今回はこの辺で。

世界中を回り、ご自身の目と耳と足で集められた貴重な情報を元にたくさんのお話を聴かせてくださった江崎先生、年度初めのお忙しい中にお集まりいただいた皆様、昨日は本当にありがとうございました。
来月からは丸谷先生の3回シリーズですので、ぜひこちらもお楽しみに!!