終了致しました。
たくさんのご参加ありがとうございました。

イノベーションとマインドセット

2016年7月6日(水)14:30~
【第16回】講師:富田 欣和 先生

ANNOUNCEMENT

古賀Facebookより

【第16回AT-1告知】
講師には富田欣和先生にお越しいただきます。
先月に引き続き、プロフェッサーシリーズの第二弾!
講師の富田さんは、慶應SDMで研究と教育を行う傍ら、自らコンサルタントとして経営の最前線に入り込み、大きな実績を挙げられている方です。
彼との出逢いはもう7?8年前。富田さんがあるセミナーで講師をされた際に知り合ったのですが、実は私はその時の彼の講演を全く聴いておりません、、、(笑)
この辺りの裏話は当日の対談でのお楽しみということで(≧∇≦)
当時から、一方ではお父様から引き継いだ製造業の会社を経営しつつ、他方では「やり方よりもあり方」を基本理念としたコンサルタントとしても大活躍されていました。
最近では、以下の自己紹介にもありますように慶應SDMの講師や「博多の歴女」として有名な白駒妃登美さんが代表を務める「株式会社ことほぎ」の取締役としての活躍の他、ご自身は「古事記」にとても造詣が深く、日本のことを本気で考えている志士の一人でもいらっしゃいます。
そんな富田先生から『イノベーションとマインドセット』と題して、高尚な(笑)お話を頂戴する予定です。

~今回の講演に関する富田さんからの補足です~
どの分野でもイノベーションの重要性が言われていますが、そこで示されるのはアイデア創出や組織の作り方など、やり方がメインです。
しかし、イノベーションに必要なのはやり方だけではなく、イノベーションについての考え方であり、本質的には個人の思考OSの入れ替え=個人の在り方となります。
今回のセッションでは、イノベーションの基本的な知識の伝達だけでなく、私自信の実践から感じた知恵についてお伝えし、みなさんと対話をしたいと思います。

SEMINAR REPORT

セミナー議事録

《管理人の独り言》

昨日はプロフェッサーシリーズ第二弾ということで前回に引き続きお忙しい中ご参加いただきましてありがとうございました。

ギリギリまで参加できるようスケジュールをご調整いただいていた方もいたのですが、結果的にはいつもより若干少ない人数での開催となりました。
しかしその分、冨田先生との距離感も近く、より一体感のある場になったように後方より見ていて感じました。

「人は見たいものしか見ない」
人の認知には無意識にバイアスがかかっている。
特定の集団は特定のバイアスにかかっていることが多い。

動画を見ていてもその通りでしたが、そのことが無意識の中で起こっているということが恐いなと感じました。
「多様性を活かしながら積極的にバイアスがかかっていないところを見に行く」
AT-1も経営者の方が多いという場ではございますが性別・年齢・業種など多様性のあるコミュニティとなっていますので、視野を広くもって、今後も皆様からたくさん学ばせていただきたいと思いました。

懇親会で冨田先生がおっしゃっていたお話の中に、「まずは一生懸命やってみる、それをやらずにイノベーションを起こすというのは違う」というお言葉が非常に印象強く残っております。
目の前のことを一生懸命やる、やはりそのことが一番大切であると改めて感じることができる貴重な機会をいただきました。

《管理人Memo》

■バイアス(偏見や先入観)
「人は見たいモノ(見たいように)しか見ない」
「専門家は専門外の領域を見逃す」
人の認知には無意識にバイアスがかかっており、特定の集団は特定のバイアスにかかっていることが多い。
そこで多様性を活かしながら積極的にバイアスがかかって見えないところを見に行くことが大切である。
男/女、関東/関西など明らかに区分の出来るような多様性ではなく、味付けをするのがポイントである。決して多数ということではない。

■イノベーションの定義とは
「機会を新しいアイディアへと転換し、さらにそれらが広く実用に供せられるようにする過程」である。
”創新普及”世の中のお困りごとを解消するアイディアを生み出し、広まるようにする。
広まらなければそれはイノベーションではない。
~イノベーションの例~
「骨髄移植ドナー登録キット×絆創膏」
Help Remediesというアメリカの製薬会社のプロジェクト骨髄ドナー登録キットを絆創膏の箱の中にいれて販売したことで、登録数が3倍近く増す結果に!
ドナー登録数増加の課題と登録に行く手間をかけない工夫によって生まれた。

■“イノベーション”と”イノベーティブ”の違い
普及はしないが普通とは違った切り口からの考え方。
この思考(頭の使い方)から結果的にイノベーションに繋がる可能性がある。

■海外メーカーと国内メーカー
・海外メーカー
低価格・品質向上・アフターサービスなどソフト面での質の向上からいま世界的認知度が向上している。
・国内メーカー
既存の開発の延長(技術・機能・品質の改良や改善)ではもう立ち行かない。イノベーション創出を海外に頼っている現状。新しい取組みの必要性がある。

“世界はどのようにしてイノベーティブな結果を生み出しているのか”
⇒「多様性+専門性」
社会的問題(貧困、教育、エネルギーetc)
技術的問題(電力供給、ITシステム、自動運転etc)
倫理的問題(粉飾決算、データ偽装、情報漏洩etc)など今後は専門性だけでは解決が困難。
共感・相互理解・人間性などイノベーティブ思考を教育することで「多様性」を身につけさせている。
多様性はイノベーションの価値を高めることに繋がっている。

■「知の深化」と「知の探索」を行う「両利きの経営」
多くの企業は知の探索を掲げつつも、既存事業で成功体験があると自分達に馴染み深い「よく知った領域」を深堀りしやすくなる。
結果が出ないことに対する不安感の軽減。結果としてイノベーションの停滞を招く。
このことを”コンピテンシー・トラップ”という。コンピテンシー・トラップを回避するために、意図的に探索方向に力をかける必要がある。

■目的は“創新普及”
・「創新普及のために、イノベーションに思考する」という強い目的意識をもつこと。
・新しい価値を生み出すために、アイディアや結論よりも、もう少し抽象度が高い「インサイト」を媒介とする。
・「新しい価値を生み出すために、イノベーティブに思考する」ことを意図的にビジネスシーンに加える意識を醸成すること。

~3つのフェーズ毎にイノベーティブに思考する~
・理解する-why(なぜ重要?なぜやるのか?)
・定義づけ-what(何を解決する?何が得られる?)
・想像する-how(どのように解決する?どのように実装する?どのように普及する?)
イノベーターとしてすべての領域について検討し、興味と関心を持つ。検討の過程で何度も繰り返し検討する。

《セミナー・懇親会風景》






《参加者みなさまのご感想》

・本日の講演を聞く前までは日本は回りのアジアの国々にそのうち抜かれると思っていたけれど、もう抜かれているのだと気づいた。

・自分が生活している世界が小さいこと、視野が狭いことを実感しました。

・「コンピテンシートラップ」ということに興味があります。マインドセットのお話と一緒にもっと聞きたかったです。

・「好奇心は伝播する」、「さらけ出す」、「聞き続ける」など心に響くキーワードが聞けました。自分に問いかけるヒントをもらえました。

・イノベーションに必要な心持ちを改めて知ることができました。

・イノベーションとマインドセット、非常に共感するところがあり刺激的でした。人は見たいものしか見えない、それはすでに分かっていた。しかしそれが多様性という観点であるということ、それに専門性を加えて深める、大変勉強になりました。

・不要な恐れ、不安を取り除く、やれないものはないというマインドセットとして感覚や感性を磨くことを悩める人にも共有したいと考えました。

※たくさんの中のほんの一部になりますが、いただいた感想を掲載させていただきました。本当にありがとうございました。

《古賀Facebookより》

【第16回御礼】
昨日は16回目のAT-1でした。敏腕コンサルタント兼プロフェッサーの富田先生に「イノベーションとマインドセット」をテーマにお話いただいたのですが、本当にたくさんの気付きがありました(^-^)
大学の授業を受けているような雰囲気で楽しくお話を伺いました。

「人は見たいモノしか見ない(人間は自分の見たいように世の中を見ている)」
「専門家は専門領域の外側を見落とす」
頭では分かっていたことですが、改めて映像なんかも見ながら再認識させてもらいました。
イノベーションとは「機会を新しいアイデアへと転換し、さらにそれが広く実用に供せられるようにする過程である」という定義、とてもしっくり来ました。
「創新普及」ですね。

他にも、"innovation"と"innovative"の違いも教わりました。
人にinnovationの起こし方を教えることはできないが、innovativeな頭を持っていれば結果としてinnovationを起こすことが可能であり、このinnovative思考自体は教えることができるとのこと。
・これからは「専門性」のみで解決できる問題はどんどん減り、共感、相互理解、人間性等を含む「多様性」がとても重要になる。
・イノベーターとは、今の自分が置かれている現実を正確に把握した上で大きな夢を見ている人。
・箱の外に出るためには、まず自分が箱の中にいることを認識し、その上で箱のサイズを正確に知らねばならない。

まだまだたくさんの学びがありましたが、長くなりますのでこの辺で。
最後に、富田さんに言わせると「日本は既に国際競争力を失っており、もう遅い!」とのことでしたが、それでも大企業の中に数多く眠っている人財や有形無形の潤沢な資産を活かせれば、逆転のワンチャンスはある!とおっしゃっていました。
我が国日本は2700年もの永い年月をかけ、変えるべきは変え、残すべきは残して発展してきた誇りある国家です。
この「強み」を武器に、これからも国際社会で活躍できる国家でありたいと強く願っていますし、自分達の手でそんな国にして行きたいですね!!
富田先生、ご参加いただいた皆様、そして会場を提供してくださったユニティさん、本当にありがとうございました!
来月以降もAT-1をどうぞよろしくお願いいたします(^o^)