終了致しました。
たくさんのご参加ありがとうございました。

所得と経済を完璧に理解する新党を創ろう!

2019年4月16日(火) 14:30~
【第47回】講師:三橋 貴明 先生

ANNOUNCEMENT

古賀Facebookより

【第47回AT-1告知】
エンジェル寺子屋一番館(AT-1)、第47回の募集を開始します!
開催日は4月16日(火)で、講師には経済評論家の三橋貴明先生にお越しいただきます!!
御代代わりの直前、新元号も決まっているこのタイミングで、いよいよ満を持して三橋さんをAT-1へお迎えします(≧∇≦)

私は3年ほど前から三橋さんの塾を二つ掛け持ちしてたくさんのことを教えていただいてきたのですが、この度ようやく準備が整いましてAT-1初登壇となりました!

政治、経済、軍事、歴史、国際情勢、財政問題(PB目標等)、消費増税や規制緩和の悪影響、etc...
とにかく、三橋さんから学んだことが今の古賀のベースを作っていると言っても過言ではありません。
本当に貴重で分かり易い三橋さんのお話、ぜひともお誘い合わせの上で生で聴いてみてください!!

今回のテーマは「所得と経済を完璧に理解する新党を創ろう!」となっています。
所得と経済の話は三橋さんの十八番中の十八番ですが、実はなんと三橋さん達は4/1に新党を立ち上げる予定なんです!!
御代代わりを2週間後に控えたこの日、三橋さんから新党にかける想いや狙い、そして日本をどうして行きたいのか?等をじっくり聴いてみたいと思っております!!

SEMINAR REPORT

セミナー議事録

《管理人の独り言》

お忙しい中、AT-1にご参加いただき誠にありがとうございました。
平成最後のAT-1ということで、ようやく念願かなって三橋先生にお話しいただきました!

“お金の正体”
MMT(Modern Monetary Theory)=現代貨幣理論。
天動説が地動説に変わるくらい大きな衝撃がある話であるというだけあり、この理論を理解するには少々復習が必要であると感じました。

“銀行は我々が預けたお金を貸し出している?決してそんなことはない。”
お金は本来、モノではなく記録(デジタルデータ)である。
中世欧州の金細工商人ゴールド・スミス氏が金商手形を世の中に流通させ、やがて集めた金貨を貸し出す際に、金貨ではなく借用証書と引き換えに手形を渡すようになった。
それが「銀行」を誕生させたというお話しを理解すると、銀行預金の正体も分かるようになりました。

“所得創出のプロセス”
生産・消費(需要)・所得は必ずイコールである。生産者は消費(需要)がないと所得を得ることができない。
そして所得の少ない生産者は消費を抑えるため、他の生産者は消費できず所得を得ることができないという「負のスパイラル」。
生産性向上の重要性について考えさせられました。

他にも経済について沢山の学びがありました。
三橋先生のお話しは本当に分かりやすく、これまで間違った解釈をしていたことを痛感しました。
引き続き、「三橋TV」でもっと経済について勉強します!

来月から新元号「令和」となり、AT-1では矢作先生の7回連続講話がスタートいたします。
我が国、我が祖先について教えていただきますので、ぜひご都合宜しければ参加いただけますと幸いです。
次回以降もどうぞよろしくお願いいたします。

《管理人Memo》

■おカネとは
おカネを「モノ」だと思っている人がほとんどだが、本来おカネとは単なる「債務と債権※の記録」、データである。
※債務と債権(誰かの債務=誰かの債権)
ちなみに、我々の財布に入っている現金紙幣は、「日本銀行の債務」であり「紙幣保有者の債権」になる。

■銀行のはじまり
中世の欧州、お金は金貨・銀貨であった。
当時のイングランド商人たちはお金を稼ぐと金貨・銀貨の管理に苦労したため、「稼いだ金貨を安全に保管したい」と金貨の預け先を求めていた。
そこで巨大金庫を持っていた金細工商人“ゴールド・スミス”は、金貨の預け先を買って出た。
預かった金貨と引き換えに預かり証(金匠手形)を発行、たちまち金庫は預かった金貨でいっぱいになった。
この山積みの金貨を商人たちが一斉に返還を求めることはまず無いだろうと気づいたゴールド・スミスは金貨の貸し出しサービスを始め、金利を稼ぐことにした。
サービスを始めてみると、貸し出した金貨は後日手元に戻ってきた。
支払のために貸し出した金貨も支払先での管理が大変なのでゴールド・スミスに預けにくるからである。
しばらくすると、支払いの度に金貨を借りるのは面倒という理由から、金貨の代わりにゴールド・スミスが発行した金匠手形を使って決済するようになった。
世の中に金匠手形が流通し始めると、金貨を貸し出す必要性がなくなったので、金貨を貸して欲しいという人には金匠手形を発行するようになった。
このゴールド・スミスの「金匠手形による貸し出し」サービスが「銀行」のはじまりである。

■銀行預金とは
銀行がおカネを貸し出す際、我々が預けたお金を原資として貸し出してを行っているわけではない。
銀行預金も金匠手形と同じで「債務と債権の記録」であり、ただのデータ。
これが「銀行預金」の正体である。

■MMT(現代貨幣理論)
ようやく、「正しい貨幣認識」に基づく経済学が誕生した。その名も「MMT」。
アダム・スミス以来、金属主義に固執し、おカネは「モノ」であるという間違った貨幣理論が人類を支配していた。
そのためMMTは天動説が地動説に変わるくらいインパクトがある話である。

“MMTの基本理論”が正しいことを日本が証明してしまった?!
①日本国債は100%自国通貨(円建て)であり、日銀が通貨発行と国債を買い入れることが可能。したがって財政的な予算制約に直面することはない。⇒財政破綻することはない。
②とはいえ、需要に対して生産が追い付かなくなるという限界はある。(インフレ率の上昇)
③政府の赤字拡大は、民間の黒字拡大である。

■お金は有限である(プール理論)という間違った貨幣理論
政府の国債発行残高と金利は無関係である。
日本は1970年と比べて政府国債残高を150倍にした。金利は1970年頃が9%、現在はマイナスになった。
お金が有限とするならば、政府が借入を150倍にしてお金のプールからガバッと持って行ったら金利は上昇したはず。しかし、むしろ金利は下落した。
安倍政権の量的緩和政策によって日本銀行がおカネを発行して国債を買い取っていた金額は370兆円。それでも、インフレ率は上昇するどころかゼロ。
日銀が国債を買い取って日銀当座預金を大量に発行してもインフレにはならなかったのである。
したがって、「お金は有限で大量に発行すればお金の価値が下落して物価上昇する」という理論は間違っていると言える。

■財政破綻論者たち
恐ろしいことに経済学者は「銀行預金の創出・発行方法」について説明できない。
経済学というのは「モノとしてのお金」が実体経済を薄いベールのように覆っていて、お金のプールがあるという考え方で進んだ学問である。
したがって、銀行預金はデータである(モノではない)という正しい貨幣認識を理解できないのである。
そのため「財政拡大(によって国の借金が増えること)で日本は財政破綻する」「日本銀行がお金を発行するとインフレになる」などと間違った主張を彼らはしているのである。

■政府の目的
政府の目的は「経世済民(けいせいさいみん)」である。
国民を豊かにすることが政府の目的である。
〈PB目標の黒字化〉・〈政府の規制緩和、強化〉・〈公共投資の拡大、削減〉・〈増税、減税〉などといった政策というのは「手段」であり、目的ではない。
経世済民を果たせるのであれば問題はないが、論理的に考えて政府の財政が黒字になると必ず民間は赤字になる。
このままの政策で政府が目的とする「経世済民」を実現できるのか大きな疑問である。

■実質賃金
国民の豊かさは「実質賃金」で判断できると言える。
例えば、給与が5%ずつ上がる。しかし、同時に物価が10%ずつ上がっていくとどうなるか。
給与が上がっても、それ以上に物価が上がっていくので、だんだんモノやサービスを買えなくなってくる(貧困)。
これを「実質賃金の下落」という。
では、給与が2%ずつ上がる。それに対して、物価が1%ずつ上がっていくとどうなるか。
給与の伸び率が少なくても、だんだんモノやサービスをたくさん買えるようになってくる(裕福)。
これが「実質賃金の上昇」という。
我が国の実質賃金のピークは1997年。それ以降は急速に下落している。

■所得創出のプロセス
「生産」「支出」「所得」の三つは必ず一致する。
生産者がモノやサービスを「生産」し、消費・投資(需要)によって「支出(購入)」された結果、「所得」が生まれる。
所得を得た生産者は必ず消費者側としてモノやサービスを購入するので、また新たな所得が生まれる。
このプロセスがぐるぐる回っていくことを「実体経済」という。
誰かが支出することで、誰かの所得になるということである。

■GDP(国内総生産)
実体経済における生産の合計をGDPという。
「生産」「支出(需要)」「所得」は必ずイコールになるので、GDPとはその国の生産の合計であり、需要の合計であり、所得の合計でもあると言える。
だからGDPが増えている国(経済成長している国)は豊かになっていると考えて良い。
日本は先進諸国で唯一、過去20年間GDPは横ばいで増えていない。

現在の日本の問題は「所得が小さくなっている」ことである。
所得の少ない生産者は生活が苦しくなるので、消費や投資を抑える。
そうすると他の生産者のモノやサービスはなかなか売れなくなるので値下げをする。
値下げをすると生産者の所得は小さくなる。「所得縮小」と「物価下落」が悪循環を起こして進行していく現象こそが「デフレーション」という。物価下落だけがデフレではない。物価下落によって生産者の所得が縮小するということがセットである。

■デフレーションの原因
日本がデフレである原因は「人口減少」という主張もあるが、人口が減少した22か国の中でデフレに陥ったのは我が国、日本だけである。なぜなら、日本は「バブル崩壊」というデフレになるイベントを経験したからである。
バブル崩壊とは土地の価格が下落する現象ではない。さらに問題は価格の暴落ではない。
バブルが崩壊すると家計や企業は「借金返済(や預金)」を始める。
借金返済・銀行預金どちらも国民一人一人にとっては合理的だが、その合理的な行動を国民が一斉に取り始めると大惨事を招くことになる。なぜならば、借金返済・銀行預金は実体経済における消費でも投資でもない。
すなわちGDPに影響しないからである。

~緊縮財政とデフレ~
バブル崩壊後、消費や投資が減ったところで政府が「緊縮財政」を行うと100%デフレになる。
では、なぜ緊縮財政(消費税の増税、政府支出の削減)を行ってはいけないのか。
バブル崩壊で消費が減っている国の政府が消費増税を行うと、ますます国民の消費は減る。
さらに、政府の投資である公共投資の削減を行うと効果は抜群で、その国は一気に消費や投資が減って、誰かの所得が激減する。
所得が減った生産者が消費者側に回ると、消費や投資を抑えるのでモノやサービスが売れなくなり値段を下げるというデフレが始まるのである。

デフレは供給能力が需要に対して大きい状態を指す。
100生産できるのに90しか消費(需要)がない、余った10をデフレギャップという。
このデフレギャップを埋められる存在は政府しかいない。
政府の支出、公的固定資本形成(公共投資)等で埋めないとギャップは一行に縮まらない。

安倍政権は政府の支出を絞りに絞った。防衛費、教育費、科学振興費の2018年予算は2012年よりも少ない。
公共投資は横ばい、地方交付税はマイナスに。
2013年6月の骨太の方針2013で「2020年までのプライマリーバランス黒字化」が閣議決定されたことを受け、財務省は本気で2020年PB黒字化をしようとしていた。
財務省はさまざまな予算を減らしてきた(緊縮財政)。高齢化によって社会保障費が増えることは否めない。
その分、その他の予算を削減しなければいけない、という理論である。
大学予算、科学技術関係予算、国際リニアコライダー計画、公共事業費、教育費、社会福祉費などの予算を削減。
とにかくPB黒字化の目標を達成するためである。
「政府の黒字は民間の赤字」。デフレ脱却には政府の支出を増やさなければいけない。
全く真逆のことを政府はやってきた。

日本政府の債務残高(2015年時点)は1872年の「3740万倍」、実質でも1885年の「546倍」になっている。
経済成長をしたら負債が増えるのは当たり前である。なぜなら、負債=銀行預金とお金だから。
3740万倍でも破綻していないのに、一体何倍になったら破綻するのか。日本は破綻しようがない。

間違った経済学に基づく間違った財政破綻論を信じているため緊縮財政は継続される。
我々、日本国民は正しい貨幣認識に基づいた経済学を学び、「政府が国債を発行すると財政破綻する」「国債金利が急騰する」という都市伝説のような話を早急に払拭する必要がある。

《セミナー・懇親会風景》





《参加者みなさまのご感想》

・とてもわかりやすい説明で勉強になりました。1周回って政治が大切とおっしゃられていて、政治の重要性が再認識できました。

・私は自衛官であり、軍事の問題を考える上では、必ず経済の知識と理解が必要だと思ってきました。しかし、独学だけでは経済問題の裏側や本質を知ることも難しいです。

・とにかく脳が疲れました。ずっとフル回転でした。

・非常に必要な問題を比較的わかりやすく説明してくださったことに感謝いたします。

・MMTの理論は本当に盲点だった考え方でした。

・銀行の仕組みについて理解が深まり、社会の見る目を変えられそうです。経営者として生産性向上と賃金向上の取り組みが国益につながることを知り、勇気を頂きました。

※たくさんの中のほんの一部になりますが、いただいた感想を掲載させていただきました。本当にありがとうございました。

《古賀Facebookより》

【第47回AT-1報告】
昨日は平成最後のAT-1でした。
講師には経済評論家の三橋貴明先生にお越しいただき、平成を締めくくるに相応しいとても有益なお話をたくさん聴かせていただきました(*^^*)

まず序盤は“お金の正体”についてのお話。
これは私が三橋さんから2年間くらい聴き続けてようやく最近理解できてきた内容なのですが(笑)、MMT(Modern Monetary Theory)=現代貨幣理論 が出てきてから一気に理解しやすくなりました。
三橋さん曰く、これは天動説が地動説に変わるくらい大きなインパクトのある話です。

お金はモノではなく、単なる債権と債務の記録(デジタルデータ)である。
よって銀行や日銀は「ただ数字を打ち込む」ことにより、"銀行預金"や"日銀当座預金"といった"お金"を文字通り「作り出す」ことができる。
過去に私もFBに何度かこのような投稿を上げてますが、「お金とはプールの中の水のように有限である」といった"一般的な概念"で凝り固まっている我々にとって、この部分が一番理解し難い所ですよね(^_^;

銀行は顧客から集めた預金を貸し出している訳では無く、ただ債務者の通帳に数字を記載しているだけ。
時の政府は、物理的には無限にお金(国債)を発行することが可能で、それはあくまでも「政府の借金」であって決して「国民の借金」などではなく、政府の赤字は民間の黒字であること。
そして日銀と政府を統合政府とみなすのであれば、国債は簡単に"消滅"させることができること。(唯一、インフレとの関係は注視すべき)
"一般的な常識"からすればとんでもないようなこんな本当の話を、一人でも多くの国民が理解できるようになれば、日本はもっともっと良くなると思います(≧∇≦)

次に“所得創出のプロセス”について。
生産・消費(需要)・所得は必ずイコールであるという「GDP三面等価の原則」は三橋さんの授業では基本中の基本です。
生産者は消費(需要)がないと所得を得ることができないが、所得が減ってしまった生産者は消費を抑えるため、それによって他の生産者が消費できず所得を得ることができなくなるという負のスパイラルのことを「デフレーション」と呼ぶ。
デフレの肝は、"物価の下落"ではなく"所得の下落"である。

とにかく、経済(GDP)を成長させるためには「生産性の向上」あるのみ。
そのために必要なことは設備投資、公共投資、人材投資、技術投資の4つ。
人手不足の今後についても、移民の活用はできるだけ最小限に抑え、生産性の向上によってこのピンチを乗り切れれば、きっと日本はまた経済成長できる。
経済成長とは国民一人一人の所得を増やすこと。
人口増加と経済成長が必ずしも一致しないのと同様、人口減少と経済衰退は必ずしも一致しない。生産性の向上さえできれば人口が減る中での経済成長も充分に可能であり、現にそういう国はたくさんある。
「日本はもはや成熟した国家なのだから、経済成長の必要はない」というまやかし。
そもそも"経済"とは"経世済民"のことであり、政府の目的そのものが経世済民であるハズ。
本当にたくさんのことを考えさせられました。

最後は三橋さん達が推進されている「令和の政策ピボット」について。
反緊縮財政、反グローバリズム、反構造改革を旗印に、もはや右だ左だと言ったイデオロギーを超えて、真にこれからの日本の国益を考える団体についてのお話を伺いました。
報告の文章が長くなりましたので、これについて詳しく知りたい方はぜひ「令和の政策ピボット」で検索してみてください(^-^)

改めまして、大変貴重なお話を教えてくださった三橋先生、そして新年度のお忙しい中にたくさんお集まりいただきました皆様、昨日は本当に本当にありがとうございました。
おかげさまで、平成のAT-1を成功裏に締めくくることができました!
昨日は多くの参加者の方が「こんなに頭を使ったのは本当に久しぶりだ!」とおっしゃってました(笑)

来月からの令和元年は、元東大の医師である矢作直樹先生より7カ月連続講話を頂戴する予定で、既にHPには日程もテーマもアップしております!
来るべき令和の時代も、AT-1をよろしくお願いいたします!!