講話Ⅰ「皇室はなぜ重要なのか」|エンジェル寺子屋一番館

過去に行われたセミナー

講話Ⅰ「皇室はなぜ重要なのか」

2018年7月27日(金) 14:30~
【第39回】講師:施 光恒 先生

2018年7月27日(金) 14:30~
【第39回】講師:施 光恒 先生

講話Ⅰ「皇室はなぜ重要なのか」

連続講話 全体テーマ
《日本人の心のかたち――普段気づかない文化の奥行きを探る》

日時:2018年7月27日(金) 14:30~

■講師:施 光恒 先生

■会費:5000円 ※懇親会、別途5000円

■場所:東京都港区海岸1-2-20 汐留ビルディング15F
プルデンシャル生命保険㈱セミナールーム
(最寄り駅:JR浜松町駅 北口より徒歩3分)

■スケジュール:※変更の可能性あり
14:00 受付開始
14:30~14:40 開会挨拶、講師紹介
14:40~16:10 施先生講話
16:10~16:20 休憩
16:20~17:30 対談ならびに質疑応答
17:30~17:45 閉会挨拶、写真撮影など

終了次第、懇親会

※基本的にご参加は古賀のお知り合いの経営者の方に
限らせていただきます。
※セミナー終了後に懇親会の開催を予定しております。
参加お申込みの際には、懇親会へ参加されるかどうか
併せてご連絡いただけますようお願い致します。

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《以下、古賀Facebookより》

エンジェル寺子屋一番館(AT-1)、第39回の募集を開始します!
開催日は7月27日(金)で、今回は昨年10月(第31回)の講師でもあられる施光恒先生に再びお越しいただきます!

今回からの3回は、AT-1初のおかわり講師&連続モノ。
今年のAT-1はいろんな意味で新しいチャレンジをしています。
シリーズ全体を通したテーマは『日本人の心のかたち―普段気づかない文化の奥行きを探る』となっており、初回の今回は「皇室はなぜ重要なのか」というテーマでお話しいただきます。

先日、私のFBでも”我が国日本は、『国家最高権力者』ではなく『国家最高権威者』として万世一系の天皇をいただく世界で唯一の国家であり、現存する世界最長の国家でもあります”と書いたのですが、当の日本人であっても天皇陛下や皇室に対する知識や理解はそれほど深くない人も多いのではないかと思います(私も含めて)。
ですので、今回はそのあたりの専門家であられる施先生から、いわゆる世間で言われるところの”天皇制”といった誤った理解ではなく、正しい意味での”皇室の護持”についてといった内容も含め、正しい知識を教えていただく予定です!!

■プロフィール
1971年(昭和46年)福岡市生まれ
慶應義塾大学法学部卒
英国シェフィールド大学大学院政治学研究科修士課程修了 優等哲学修士号を取得
慶應義塾大学大学院法学研究科博士課程修了。法学博士。
現在;九州大学大学院比較社会文化研究院准教授
専攻は政治理論、政治哲学。最近は、主に、ナショナリズム論、
人権と文化との関係性、グローバル化批判などに関心を持つ。
産経新聞(九州・山口版)、雑誌『表現者』などで連載コラムを担当。
また、文化放送「おはよう寺ちゃん活動中」などラジオ番組の
コメンテーターなども務める。

〈主な著書〉
『リベラリズムの再生――可謬主義による政治理論』(慶応義塾大学出版会 2003年)
『ナショナリズムの政治学――規範理論への誘い』
(黒宮一太氏との共編著 /ナカニシヤ出版 2009年)
『TPP 黒い条約』(共著、中野剛志編/集英社新書 2013年)
『反動世代――日本の政治を取り戻す』(共著、森健編/講談社 2013年)
『まともな日本再生会議』(中野剛志氏、柴山桂太氏との共著、アスペクト、2013年)
『英語化は愚民化――日本の国力が地に落ちる』(集英社新書 2015年)
『本当に日本人は流されやすいのか』(角川新書 2018年)など。

開催を終了しました。沢山のご参加ありがとうございました。

セミナー議事録

《管理人の独り言》

今回は連続講話の第一弾で「皇室はなぜ重要なのか~日本人の“心のかたち”から考える」というテーマでお話いただきました。
現在進行形の皇統としては世界最古の歴史があるということは何となく知っていましたが、皇室制度が日本人の心のかたちにかなっているという視点でお話を聞いたのは初めてでした。
そもそも歴史に疎い私が、皇室の存在に“有難味”を感じていたのはなぜか。
まさかその理由が普段使っている言語(日本語)や日本文化に深く関係しているとは予想もしませんでした。
日本語や日本文化の奥深さに触れて、改めて日本人であることを誇らしく思いました。
(しかし自分の国の歴史をよく知らないことは大問題ですね、、、)

道徳意識や人の呼び方など様々な視点から“日本ならでは”のお話がありましたが、個人的には仕事柄もあり「察しの文化」のお話が強く印象に残っています。
日本語会話には「察する力」が不可欠。全くその通りだと思いました。
どのような関係性であっても、信頼関係を築くうえでとても重要な要素になっていると日常生活の中で身をもって感じることが多くあります。
他人の気持ちを推し量ることは“人として当たり前”ではなく、日本人ならではだったとは驚きでした。
新たに日本人の強みを発見することが出来ました!^^

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《講演メモ》

日本以外の国々は時代によって政権や王朝が変わっているが、日本は皇室制度のおかげもあり、
紀元前よりずっと変わらずに安定した政治を伝統的に行ってきたといえる。

■代表的皇室論
・福沢諭吉『帝室論』(明治15年)
→日本国民は数百年、数千年来「君臣情宜」の空気の中で生きてきた。
・吉野作造『民本主義と国体問題』(大正5年)
→皇室と国民が「情宜的」関係で繋がっている。
・出光佐三(1885-1981)の皇室観
→日本の秩序は「互譲互助」の精神から作られるのが理想。その象徴が皇室である。

■皇室制度と心のかたち
・「君臣情宜」や「互譲互助」の関係
 「法や権力」による統治ではなく、「情宜(人情や誠意)」、「互譲互助(思いやりや助け合い)」という
 心理的な繋がりを重視し、組織や秩序、人と人との関係を作っていくというのは
 今も昔も日本人の心のかたちにかなっているのではないだろうか。
 現代の日本人も、半ば無意識に「互譲互助」の道徳や秩序形成を好み、実践しようとしているのではないだろうか。

■日本語と日本人の道徳意識
・「タタミゼ」効果(鈴木孝夫氏)
 →日本語を学ぶと性格が温和になり優しくなる。
 フランス語で “tatamiser” は「日本かぶれする、日本びいきになる」という意味を持つ。
・人の呼び方と、自我観の違い
 日本語は状況によって人の呼び方を使い分ける必要性があるため、“私、僕、俺、あなた、君”など
 代名詞が数多く存在する。“社長、パパ、お姉ちゃん、先生”など親族名称や役割名称で使い分けるのも日本独特。
 日本では「状況認識が先、自己認識が後」。自己は必ず状況における他者や事物、役割との関係性によって認識される。
 したがって日本語会話には「察する力」が不可欠である。
 欧米では「自己認識が先、状況認識が後」なので英語における一人称は“I”、二人称は“You”と少なく日本とは対照的である。
・道徳観の違い
 日本では他者の気持ちや周囲の状況を敏感に読み取り、互いに思いやり助け合う「互譲互助」の道徳が発達した。
 一方、欧米では他者と衝突したあとにいかに公平に問題を解決するかという「公正さとコンプライアンス」の
 道徳が発達した。

■日本のしつけ・教育
・日本の教育手法は欧米と比較すると寛容で温和である。親子間では身体的に距離が近く(添い寝など)、
 非言語的接触が多い。→情緒的絆を生み出す。
〈内在型(感情型)モデル〉
・周りにいる他者の気持ちを敏感に察知できるような人間に子どもを育てる。
・互いに多様な他者の気持ちに配慮しつつ、より良い自他の関係性を作っていくことを重視する。
・情緒的絆を先に作り出すことによって、人々の行動を統制したり、調和に導いたりしようとする。
⇒日本における組織づくり、秩序形成も、いわば内在型だといえるであろう。

■まとめ
皇室というのは“先人の知恵”である。日本人の秩序や組織をつくる根本が“国”であり、
安定的に秩序や組織をつくるやり方が「皇室制度」であった。
・皇室は国家・国民のために(無私に)祈る存在→国民は崇敬、敬愛の念を抱く。
・崇敬の対象として天皇を国の中心に置くことで「君臣情宜」、「互譲互助」の秩序が形成された。
⇒日本人に心のかたちに適っており、馴染みやすく最も自然な政治秩序のつくり方であった。

《セミナー・懇親会風景》






《参加者みなさまのご感想》

・皇室のかたちが組織づくりに通じるのもがあり、日本の中で会社がある限りこのかたちは必要だと思った。
・日本のこと、日本人のことを知る時間が楽しいです。改めて日本人でよかった。
・皇室が先人の知恵であるという結論がとてもしっくりきました。
 言葉に心のかたちが現れている、子育てに心のかたちが現れるならば、「日本の心のかたち」をよく理解する
 必要があることを改めて実感しました。
・“心のかたち”は変わらないことを前提に組織やしくみなどを変えていくと良いということが非常に参考になりました。

※たくさんの中のほんの一部になりますが、いただいた感想を掲載させていただきました。
 本当にありがとうございました。

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《以下、古賀Facebookより》

【第39回AT-1報告】
昨日のAT-1は、九州大学の施先生を講師に迎えた初の連続モノの第1回。
まさに、全体を通したテーマである『日本人の心のかたち〜普段気づかない文化の奥行きを探る』を地で行く内容でした(*^^*)
今回は「皇室はなぜ重要なのか」という切り口でお話しいただいたのですが、予想に反して"皇室"についてのお話というよりは"日本人の心のかたち"についてのお話がメインでした。

講義の詳細については、AT-1常連の福山真由美さんが詳しくシェアしてくれたのでここでは割愛します(笑)
施先生のお話にご興味のある方は、AT-1のHP内にある第31回(昨年10月の講義)のレジュメをぜひご参照ください(^^)

かの福沢諭吉先生は実はかなりの合理主義者だったらしいのですが、その福沢先生が「帝室論」の中で語っていた"君臣情宜(クンシンジョウギ)"という言葉。
シラス国である我が国日本は、まさにこの言葉に表される通り「天皇陛下と国民がお互いを思いやる」という前提の元にさまざな仕組みや制度、そして人々の考え方(すなわち文化)が出来上がっていることがよくよく理解できました。
この"皇室と国民"の関係は、そのまま"親と子"や"先生と生徒"そして"社長と社員"にも当てはまります。ただし、構成員が組織への愛着や安心感を持っている前提ですが(^_^;

昨年10月の講義にもあったように、日本人は「状況認識が先で自己認識が後」なので、一人称や二人称を表す言葉がとにかく多い。
対する欧米では、基本的に一人称は"I"、二人称は"you"のみ。
日本語を上手に操る為には、どうしても「察する力」が不可欠である、という主張にも深く納得です。

そしてとても興味深かったのが「日本の家族は一番小さなメンバーの視点から他のメンバーを呼ぶ」というお話。
ある家族に孫ができると"お父さんお母さん"は直ちに"おじいちゃんおばあちゃん"になり、若い夫婦は"お父さんお母さん"になる。
そしてその孫に弟や妹ができると、最初の孫自体も"お兄ちゃんお姉ちゃん"になるが、決して"弟ちゃん妹ちゃん"という呼び方は存在しない。
この"常に一番小さなメンバーの視点から呼ぶ"という特徴は、その子が家族に少しでも早く馴染めるように、との配慮から生まれていると考えられ、日本語の優しさや温かさを示すとても良い事例だと感じました。

皇室とは日本に代々伝わる言わば"先人の知恵"であり、それ自体が伝統という正当性を備えています。
この「皇室と国民」のような関係に沿った形が日本人にとって最も自然な秩序の作り方であり、逆に欧米流のトップダウンや頭ごなしの命令では日本の組織はうまく機能しない。
まさにその国の文化とも言える『心のかたち』はそう簡単には変えられないのだから、我々はまず自身のことをもっと深く知ることが肝要です。
その上で、政治にしろビジネスにしろ教育にしろ、どこかの国の受け売りではなく、我々日本人にピッタリと合ったやり方で進めて行きたいですね!!

関東地方に台風の迫る中、わざわざ九州から駆けつけてくださった施先生、お忙しい中に多数お集まりいただきました皆様、昨日も本当にありがとうございました!
来月、再来月と施先生の連続講座が続きますので、引き続きお楽しみに!!
http://at-1.jp/

※今回より、参加者の中で事前にご希望された方々をタグ付けさせていただいております。