終了致しました。
たくさんのご参加ありがとうございました。

経営心理学入門 採用と人材育成について

2017年3月21日 (火) 14:30~
【第24回】講師:藤田 耕司 先生

ANNOUNCEMENT

古賀Facebookより

【第24回AT-1告知】
エンジェル寺子屋一番館(AT-1)、第24回の募集を開始します!
次回は3月21日(火)で、講師には経営心理士&公認会計士の藤田耕司先生にお越しいただきます。
前回から5月までの計4回は『アラフォー士業シリーズ』ということで、今の時代をリードする若手の士業の方々にご登壇いただきます!

講師の藤田さんは私と同い年の38歳。
下記のプロフィールにある通り、大手監査法人で公認会計士として大手企業の監査業務を約7年務められた後に独立。
現在は会計事務所とコンサル会社を経営されているのですが、その傍らで「経営心理学」という学問を提唱されており、自ら協会を立ち上げて「経営心理士」という資格まで作っておられます。
今回は士業シリーズの「会計士」の回なのですが、税務や会計のお話はほとんど出てこないかもしれません(笑)
しかし、経営心理学に関するお話はたっぷり聞けると思いますので、どちらかと言うとちょうど一年前にやっていた『コーチング3部作』に近い内容になるかも知れませんね。
私も心理学は大好きなので、今からとても楽しみです(≧∇≦)

SEMINAR REPORT

セミナー議事録

《管理人の独り言》

今回は“若手士業シリーズ”第二弾といたしまして『採用と人材育成について』藤田耕司先生にお話をしていただきました。

この会(AT-1)が始まってから、“採用”や“人材育成”という点についての課題について、度々、話題になっておりましたが、ここだけにフォーカスしたお話は初めてだったように思います。
経営心理士である藤田先生だからこそのお話は、具体的な事例が織り交ぜられており「すぐに活用できる!」という感想が多い印象でした^^

大学浪人をきっかけに“記憶のメカニズム”を研究されたというエピソードには「その時点で他(の人)とは違う!」とおっしゃっていた方もいらっしゃいましたが(笑)
とにかく興味深すぎて、時間が足りない、もっと詳しく聞きたいと私も感じました(><)
・組織のリーダーは“プレーヤー”ではなく“プロデューサー”であるべき。
自分が居なくても会社がまわる仕組みづくりが大切、組織の成長のために社長は“人と組織のプロデュース”を行うことが役割である。

・優秀な人材確保のためには採用にも“マーケティング戦略”を持つことが重要である。
まずは自社をどのように見せたいか、どのような人材に来てもらいたいかターゲットを明確にし、 それに対しての効果的な戦略を立てる。

・有能な人材は能力が高いだけではなく“組織の発展にとって良い影響を及ぼす”人材である。
能力が高くても人間性が悪い人材は採用してはいけない。

・人材育成において“対話(何を言うか)”以上に“信頼(誰が言うか)”が肝である。
同じ言葉でも誰が言うかによって響き方が全く異なる。信頼を失うと言葉の持つちからはゼロになる。

・人材育成の心理は“親子の心理”と似ている。
相手を褒め、認める“母性”と時に厳しく叱る“父性”の両方を持って接する。

・部下のモチベーション上げるためには経営者(リーダー)自身が
“面倒くさい・当たり前・照れくさい”という感情と向き合い克服しなければいけない。

人間を動かすためには、まず人間を知る。
経営心理学、本当に奥が深いです(汗)
短い時間ではありましたが、今回も学びの多いお話でした!(^^)

《管理人Memo》

■経営やビジネスの現場で使える心理学
〔経営者の悩み〕
1.数字(売り上げ・利益など)を上げたい
2.従業員のモチベーションを上げたい
これらの悩みを解決するには、まずお客様・従業員の心理状態を知ることが大切である。
なぜならば、数字を上げるためには、人(お客様・従業員・自分)の動きを変えなくてはいけない。
そして、人を動かしているのは“心”なので、そのために、まず“心”について勉強する必要がある。

■組織を大きくするためのリーダーの役割
自分ひとりでは時間に制約があるので、自分が居なくても会社が回る仕組みを如何に作るかが大事である。会社を拡大して行くためには、経営者はプレーヤーという役割から“プロデューサー”という役割にシフトしていかなくてはならない。
⇒能力の高い人間で構成される組織を創り、組織の一体感を醸成できると、組織は成長する。組織の成長のためには社長は“人と組織のプロデュース”を行う。

〔能力の高い人間で構成される組織を創る方法〕
1.優秀な人材を“採用”する。
2.既存の人間を“育成”し優秀にする。
3.適材適所の配置で人の能力を最大限に引き出す。⇒即効性あり

前半 ~採用~

■採用のマーケティング戦略
経営において“採用”は極めて重要である。

採用に関して優れた“マーケティング戦略”を持つ企業。

人間性・能力ともに優秀な人材を採用できる。

そういった人間から構成される組織では組織風土が良くなり人材育成能力の高い人間によって、人の育成が積極的に行われるようになる。

人材育成能力が高い人間が集まり、下の後輩たちを育ててくれると業績が良くなる。組織の一体感が生まれ結束力の強い組織ができる。離職率も低くなる。

◎人間性・能力ともに優秀な人材を採用するためには、リクルート会社に委託する・人事に任せるなど他に丸投げするのではなく、経営者自ら採用の方針を明確にしたうえで効果的な“マーケティング戦略”を立てて積極的に取り組んでいくことが大切である。

■アルダファ ERG理論
・Existence:生存(給与)
→物理的・生理的欲望で、食べ物や住環境、賃金・雇用条件や安全な環境などの欲求。
・Relatedness:関係
→家族や友人、上司、同僚、部下、お客様、その他重要な人と良好な関係を築き、認めてもらいたいとする欲求。
・Growth:成長
→自分の能力アップや苦手の克服、創造的、生産的でありたいとする欲求。
・プラスα:貢献
→高い給与や出世したいという競争心ではなく、世のため人のために役に立つ仕事がしたいという欲求。

これら3つ+αの欲求を継続的に満たし“人間的信頼”を構築する。 
離職率の高い企業はこれらの欲求のどれかが満たされていない、あるいは複数満たされていないケースが多い。

■採用におけるマーケティング戦略
・待遇面における同業他社との差別化
→給与や福利厚生、勤務条件などで優れている点を表現
・社内の人間関係の良さ
→従業員同士の人間関係の良さを写真などで表現
・成長やキャリア形成の機会
→仕事や研修を通じて、どのように成長し、キャリアを形成していくことが出来るのかを表現
・仕事の社会的意義の高さ
→この仕事が社会にどう貢献しているのかを表現、お客様から感謝していただいたエピソードを表現

■絶対に採用してはいけない人材
人間性(価値観・考え方・人としての在り方・仕事に対する姿勢・人間関係の在り方・公欲の強さ)は教育をしても変えることが非常に難しい。人間性が悪い場合、組織に貢献するどころか、甚大な悪影響をもたらす。しかし、能力(スキル・資格・経験・知識・センス・業務処理能力)はある程度、教育によって身につけさせることができ、経験と学習により、着実に貢献度は上がる性質がある。よって、たとえ能力が高くても人間性が悪い人間は絶対に採用してはいけない!!!組織の中で派閥を作り、後に社長や会社の抵抗勢力になる人罪である。

■採用の方針を明確にする
1.実現したい組織像に照らして、採用したい人物像を“人間性と能力”に分けて明確に定義し、採用の方針を定めておく。
2.仕事をする上でこれだけは絶対に譲れないという人間性や、こういう人間は即アウトという人間性を洗い出しておく。
3.2の人間性を満たさないと判断された人間は、能力がどれだけ高くても原則、“不採用”とする。

■『人間性の悪い人材を採用しないため』の面接で人間性を見抜くポイント
感情が動くような質問をする⇒無意識に本音が出て、人間性が垣間見れる。

1.過去の“失敗”とその時の“対応”、“責任”の所在についての質問。
→謝罪し誠実な対応が出来ていたか。他者のせいにして自分を正当化していないか。自責であって他責ではないかを見る。
2.過去の“成功”とその時の“対応”についての質問。
→成功の手柄を独り占めしていないか。他者の協力に感謝できているかを見る。
3.これまで上司や部下と意見が食い違った際に、どのように“説得”してきたかの質問。
→相手の意見に理解を示し、相手の気持ちに配慮できているか、感情的に理詰めで強引に押し通していないかを見る。

◎成功はみんなのおかげ、失敗は自分のせいと考えられる人が組織を発展させる人材である。

後半 ~人材育成~

育成には「この人の言うことだったら聞こう」・「この人の下でなら働こう」というような信頼関係を部下といかに築くかが大きく影響してくる。

■影響力の要素
1.何を言うか
2.誰が言うか
同じ言葉であっても“誰”に言われるかで響き方が全く違う。相手にとっての“誰”になれたら、多くを語らなくても言うことを聞くようになる。その反面、信頼を失う(相手にとっての“誰”になれない)と言葉の力はゼロになる。

■好意・悪意の返報性
人を変えようと思っても難しいが、自分の相手に対するコミュニケーションや態度を変化させることで、その人との関係性は変えることが出来る。

◎人間は自分のことを認めてくれる相手は認めようとし、自分のことを否定する相手は否定しようとするものである。相手に認められたいのであれば、まず相手を認めることが必要である。

■人材育成の心理(親子の心理と構造が似ている)
「母性」
・相手を褒め、認める
・相手を見守り、共感し、安心感を与える
・相手に感謝の気持ちを伝える
「父性」
・必要なときにきちんと叱る
・きちんと責任を全うすることを徹底させる
⇒どちらか一方ではダメ、母性と父性の両方が揃わないと人材を育成することは難しい。

■感情の戦略
・面倒くさい
・当たり前
・照れくさい
⇒この3つの感情が邪魔をして行動に移すことが出来なくなる。部下のモチベーションを上げるという戦略を遂行するためには、経営者あるいは上司が“この感情を克服する”必要がある。この感情を克服できると人が育ち、組織は変わる。

■まとめ
人間を動かすためには、まず“人間を知る”ことが必要。
“人間の原理原則”を知り、人を動かすことができれば結果を変えられる。

《セミナー・懇親会風景》






《参加者みなさまのご感想》

・採用は課題が山積みなのでとても貴重な情報でした。

・採用マーケティングでの生存、関係、成長、貢献に分けてお話いただけたことがわかりやすく楽しかったです。

・「入れてはいけない人間をきちんと落とす」という点は、実務上、大変参考になりました。弁護士もクライアントに対して同じ説明をしても、どの弁護士が言うかでクライアントへの影響が違う。「誰が」言うかという部分は自分にとっての今後の課題であり、今日課題を再確認できました。

※たくさんの中のほんの一部になりますが、いただいた感想を掲載させていただきました。本当にありがとうございました。

《古賀Facebookより》

昨日は第24回のAT-1でした。
早いもので、2015年にAT-1を始めてからもう丸2年も経ちました。
これもひとえに、支えてくださっている皆様のおかげです。
本当に本当にありがとうございます(≧∇≦)

昨日の講師には、会計士でもあり経営心理士でもあられる藤田先生にお越しいただき「経営心理学入門〜採用と人材育成について〜」と題して経営心理学についてお話いただきました。
「数字を動かすのは人の動き、その人を動かすのは心である。
よって、数字を上げたければ人の心を知らねばならない」と藤田さんはおっしゃいます。
まさにその通りですよね。

前半は"採用はマーケティングである"というテーマだったのですが、"自社をどのように見せ、どんな人材に来て欲しいのか"、採用活動においてこの点を明確にするのとしないのとでは、自ずと結果に大きな差が出て来ますよね。
まさにマーケティングだな、と感じました。
"仕事は抜群にできるが人間性の悪い人をどう扱うか?"のくだりでは、参加されたほとんどの方が「ウンウンいるいる」と頷いておられ(笑)、やはり経営において最大の関心事は人であり、大小問わずどの会社でも同じようなポイントで悩まれているんだなぁと改めて認識しました。
採用(面談)の際にその人の本質を見抜くには、"感情が動く質問"をいくつか問いかけるのが良いのだそうです。
例えば"過去体験した大きな成功や失敗の時の対応"や"相手と意見が違った場合、相手の気持ちに配慮しながらコミュニケーションを取れていたか?"等を質問してみると良いそうですよ(^-^)

後半は人材育成についてでしたが、ここのポイントは「何を言うかも重要だが、誰が言うかが最も重要!」これに尽きますね。
リーダーはその"誰が"になることを目指さねばならず、メンバーとの関わりの根底に母性を置き、必要に応じて父性を発揮することが重要とのこと。
褒めると叱るの割合が3:1を超えたあたりから、組織が活性化し始めるらしいです。

最後に感情の戦略について。
部下のモチベーションを上げるという戦略を遂行するためには、リーダーが下記の3感情を克服する必要がある。
・面倒くさい
・当たり前
・照れくさい
これらを克服できると、人が育ち組織は変わる。
世の中のリーダーには、強い決意を持ってこの感情を克服していくことが求められていますね!!
対談もとっても盛り上がり、あっという間の3時間半でした。

貴重なお話を聞かせてくださった藤田さん、足下の悪い中にお越しいただいた参加者の皆様、昨日は本当にありがとうございました!
アラフォー士業シリーズは5月まで続きますので、タイミングの合う方はぜひ次回以降もご参加ください!!